社会保険労務士事務所 東京

副業・兼業の促進に関して

働き方改革の議論が進む中、柔軟な働き方を実現すべく、

厚生労働省から副業・兼業の促進に関するガイドラインが公表されました。

今回は、副業等を認める上での注意点について解説します。

 

[Point1] 副業・兼業のメリット

これまで、多くの会社では秘密保持、競業などの観点から副業等を禁止しており、

過去の総務省の調査では、副業等を認めていない会社が8割を超えていました。

一方で、副業等を希望する労働者の数は年々増加しています。

これらの推進は企業にはどのようなメリットがあるのでしょうか?

 

【期待できるメリット】

●労働者が外部での経験によってスキルや知識を獲得することができ、

それが本業にも還元されれば事業機会の拡大につながる。

●キャリア形成をしたいと思っている優秀な人材の流出が防止でき、競争力が向上する。

●労働者の自律性、自主性を促すことができる。

 

[Point2] 副業等を許可する場合のルールの整備

副業・兼業自体への法的な規制はありませんが、過去の裁判例から、

労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは原則自由であり、

会社が副業等を制限することが許されるのは、

労務提供上の支障となる場合や、企業秘密が漏洩する場合、

競業により会社の利益を害する場合などとされています。

 

副業等を認める場合、無制限に認めるのではなく、

労務提供上の支障や企業秘密の漏洩等がないか等を確認するため、

労働者に事前届出させることは差し支えありません。

労働者から副業等の申し出があった場合は、それが競業にあたらないか、

いつ、どこで行うのか、どの程度の就業時間、業務量になるのかなどを確認してください。

その際、労働者に対し、必要以上の情報を求めないよう留意が必要です。

過去の裁判例からも、現在の業務に支障がない場合、副業等を認める方向とするのが適当です。

また、次の点にも注意・検討が必要です。

 

①就業規則の見直し

ほとんどの会社の就業規則では、

「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」と定め、この違反を懲戒事由としています。

副業等を認める方向とする場合、原則副業ができ、

例外的な場合のみ副業を制限する内容に見直していただく必要があります。

 

②就業時間の把握・健康管理

労基法では「労働時間は、事業場を異にする場合においても

労働時間に関する規定の適用については通算する」と規定されています。

これは、たとえばAの会社で5時間、Bの会社で4時間働いた場合、

両社の労働時間を通算してBの会社で法定労働時間8時間を超えた時間外労働1時間が発生する

というものです。

ただし、本業先は副業先での労働時間を細かく把握する義務もなく、現実的に把握が難しいことから、

労働時間の通算については今後議論されていくことになりそうです。

 

副業先での働き方がフリーランスなど労基法の適用を受けない場合には通算は不要ですが、

いずれの場合でも、過労等を防ぐ観点から、

その者の自己申告により就業時間を把握するなどして、長時間労働にならないよう配慮したり、

過労によって現在の業務に支障をきたしたりしていないか確認することが望ましいです。

 

ここに挙げたのは厚生労働省のガイドラインに基づいたものですので、

各社の状況に合わせて副業等の導入について検討していただけたらと思います。

不明点等ありましたら担当者へご連絡ください。

 

 

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≪2018年8月1日発行 マロニエ通信 Vol.186より≫
http://www.arcandpartners.com/info/maronie

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